東洋文化系

日本文化コース

日本文化コース概要

現代は国際交流の時代です。そして交流には相互の理解が必要です。ただし真の相互理解は、相手の国だけでなく自分の国についても知らなければ叶いません。交流によって新知識を獲得した古代の経験、あるいは現代社会を作り上げていった近現代の文学や歴史を通じて日本を学ぶ本コースで、日本の側に視点を置く国際交流の考え方を育んでください。

日本文化コースの教員紹介

系・コース専攻部門の講義紹介

日本文化史

近世という時代区分を考えた際、日本では世界的に見ても珍しいほど、浮世絵や歌舞伎などの庶民文化が発達していた。明治以降の日本においては近代化とは西洋化することだと考えられ、さまざまな文化が西洋から移入され、現代に至っている。これに対して、現代の日本人が「伝統」という言葉を口にするとき、江戸時代に起源を持っているものが多く、平安時代や鎌倉時代に起源をもつものであっても江戸期に変容されたものが多い。そこで、江戸時代を対象にし、日本文化を読み解く。

日本文化論

【テーマ】国際日本文化論:明治時代を具体例として
日本文化を考えることは「私」の意味を問うことと似ている。たとえば「私」を強く意識するようになるのは自分の隣の「他者」を意識した時ではないだろうか。そんな「他者」との〈関係〉(接点やズレ)を認識しながら「私」は形成されるのである。それと同様に「日本」文化を「他国」の文化との〈関係〉に注目して考察すること、それが本講義のテーマである。
授業では主として明治時代に発表された日本文化論を解説しながら、それぞれの日本文化論に現れた諸外国の文化との〈関係〉を考察する。具体的には、地理学、武士道、茶道、日本美術などの領域を取り上げる予定である。その際、日本人による日本文化論のみならず、欧米及びアジア諸国における美学や思想についても取り上げる。
また授業では画像や映像資料などのマルチメディア教材を用いて、日本文化の立体的な理解を目指す。

日本文学論

【テーマ】ゼロ年代は何を語りかけていたのか?
この講義ではゼロ年代(2000年代)前後に発表された日本の現代小説を考察する。個々の小説からは、日常生活の影に隠された社会矛盾や、今私たちが実際に直面している諸問題が姿を現すはずだ。ゼロ年代の小説は何を表現しているのか?小説は社会とどんな風に接触するのか?それらの小説に対して、私たちは何を語ることができるのか?そんな重層的な問いと対峙するのが、本講義のテーマである。
具体的に授業で扱うのは、石田衣良、松浦理英子、山本文緒、京極夏彦、多和田葉子、川上弘美らの小説である。その他に授業では宇多田ヒカルと新海誠も例外的に扱う。
なお授業ではDVDやパワーポイントなどのマルチメディア教材を用いて立体的に現代小説を読み解いていく。

東アジア文化交流論

古代から続いている両国の文化交流の歴史を探った上で、内容を進める。近世を対象とする際には、江戸時代の日本の庶民は朝鮮や朝鮮人に対してどのようなイメージを抱いていたのか、また反対に朝鮮通信使の随行員として日本に来ていた朝鮮人たちは日本や日本人に対してどのようなイメージを抱いていたのかを明らかにする。近代を対象とする際には、日本による朝鮮半島の植民地支配に翻弄された韓国(朝鮮)人、特に特攻隊員やB/C級戦犯について考える。現代を対象とする際には、両国の文化開放によって日本で地上波放送された韓流ドラマや日本のマンガを原作に韓国で制作され放送されたドラマを中心に両国民の抱く相手国のイメージの変化について探りたい。

日本社会論

江戸時代後期から明治期にかけて記録された福岡の記録などをもとに、記録されている内容を把握し、そこから歴史像を復元する。

キーワード 1.福岡・博多 2.日田 3.民衆 4.近代 
また古地図をもとに現地調査の学外授業を実施することがある。