3つの系と6つのコース
国際文化学部では「系・コース制」を採用しています。24名の専任教員が4名ずつに分かれて6つのコースを形成し、これらのコースがさらに3つの系に大きく分かれます。
「東洋文化系」に属する日本文化コースと中国・アジア文化コース、および「西洋文化系」に属するアメリカ・太平洋文化コースとヨーロッパ・地中海文化コースでは、それぞれの地域を基点として、各文化の固有性について掘り下げて考察することに主眼を置きます。
これに対し、「複合文化系」に属する比較文化コースと表象文化コースでは、地域の枠組みを超えた脱領域的な視点から、文化の多様性と流動性を把握することを目指します。
ローカルとグローバル、ミクロとマクロを同時に見きわめる複眼的なまなざしを養うための、国際文化学部ならではの学びのシステムです。
東洋文化系
日本文化コース
世界を知るにはまず日本から。先史時代から近現代に至る日本の考古と歴史、美術と文学について学ぶとともに、ヨーロッパや他のアジア諸国、とりわけ韓国との文化交流の軌跡をたどることで、日本を基点とした異文化理解のあり方を探ります。
中国・アジア文化コース
いまやグローバルに展開する巨大な中国文化圏は、単なる異世界ではなく、わたしたちの文化的アイデンティティの拠りどころでもあります。日本をはじめとするアジア諸国との国際関係も踏まえながら、中国の言語と文化、思想と歴史について考察します。
西洋文化系
アメリカ・太平洋文化コース
多民族国家アメリカはいうまでもなく、ハワイを中心とする太平洋地域も、移民から戦争、観光に至るまで、歴史的に日本と関係の深い地域です。アメリカを中心とする環太平洋エリアの歴史と文化、思想と宗教を、多角的かつダイナミックに把握します。
ヨーロッパ・地中海文化コース
ラテンとゲルマン、ケルトとスラブなど、さまざまな民族が織りなすヨーロッパ文明。環地中海エリアとして捉えれば、海の向こうのアフリカやパレスチナも視界に入ってきます。文学・宗教・芸術を基軸に、この複雑多様な文化のアラベスクをひもときます。
複合文化系
比較文化コース
自己の価値観を絶対視することなく、各文化の固有性と普遍性を理解するには、異文化間の比較考察という方法が欠かせません。人類学や現代思想、比較文学の成果をふまえ、国家の枠組みやローカル/グローバルの境界を超越する文化の動態を追跡します。
表象文化コース
旧来の「芸術」という概念に収まりきらない中世の聖画像、アフリカの木彫、現代のアニメーションやネット動画。人間の五感が歴史の中で生み出してきた多様なイメージと、その哲学的・社会的意義について、「表象」という新たな切り口から分析します。