研究旅行奨励制度実施報告

アメリカ 報告一覧

多文化社会における「マイノリティ」の表象の在り方

本研究旅行の目的は、移民国家の代表ともいえるアメリカ合衆国の首都、ワシントンD.C.にある国立博物館や民間からの寄付で設立された博物館をめぐり、エスニック・マイノリティ(以下「マイノリティ」)の歴史文化がどのように表象されているかを調査することである。
アメリカ国立歴史博物館では、アメリカ国内外に対してアピールする「正式なアメリカ史」を、国立アフリカ系アメリカ人歴史文化博物館や国立アメリカ・インディアン博物館といった特定のマイノリティに焦点を当てた「エスニック博物館」においては、国としての表象の在り方を調査した。
これらの国立博物館の設立の背景には、20世紀後半まで実社会だけではなく博物館の世界においても、マイノリティの存在が無視・歪曲されていたという歴史的事実がある。それに伴い、白人支配層が伝統的に主導してきた博物館では、マイノリティに対して「劣等」「野蛮」のイメージを想起させる展示を行ってきた経緯がある。これを踏まえ、現在では国立博物館という「公式の場」において、マイノリティの存在がアメリカ史の中にどのように位置づけられ、またどのように表象されているのかについて調査した。
これに加え、同じくワシントンDCにあるホロコースト記念博物館での展示調査を通じて、アメリカ合衆国におけるユダヤ人理解についても考えを深めた。最近のパレスチナ情勢を巡り抗議運動が盛り上がる中で、世界最大のユダヤ人人口を抱えるアメリカ合衆国において、その歴史的理解を巡る展示のあり方を考えることは、本研究旅行の目的に十分に合致するものといえよう。

2019 三原卓也、久間大滉

アメリカにおける独立と建国の歴史認識を探る―アメリカ四都市を巡って―

本研究旅行の目的は、単にアメリカ建国の歴史についての知識を増やすことに留まらず、アメリカ合衆国やその社会が独立革命・建国の歴史をどのように記憶し、伝えようとしているのかを調査することである。すなわち、アメリカ合衆国の建国史を巡る歴史理解のあり方それ自体を対象化し、調査することが本研究旅行の主眼となる。

アメリカン・リアリズムに迫る―アンドリュー・ワイエスゆかりの地を巡って―

アメリカにおける野生動物保護~保護区設立に至るまでの歴史と現在の保護活動について~

2017 竹下慧、古家千尋、柳本真朱

「ハワイ」は本当に「楽園」なのか ―3つの視点から見るハワイ―

移民国家アメリカと都市 ―ニューヨーク市を中心とした実地調査―

アメリカ合衆国におけるチャイナタウンの役割

アメリカにおける「ZEN」の探求- 曹洞宗  サンフランシスコ禅センターとバークレー禅センターを中心に

多民族・多文化都市ニューヨークにおける芸術の役割:パブリックアート

多民族・多文化都市ニューヨークにおける芸術の役割:サーカス