教員紹介

梅村 卓

ゼミのテーマ

歴史学的な視点からの中国

歴史学的な視点から中国について学び、歴史から現在を見つめ直すことを目標としています。

ゼミの紹介

ハルビンの聖ソフィスカヤ寺院にて
ハルビンの聖ソフィスカヤ寺院にて

中国という地域の歴史には、他にはない文化や哲学、思考様式があります。梅村ゼミでは歴史学の視点から、中国や東アジア世界が持っているその独特な論理について理解することを目的としています。歴史学は過去の歴史を分析することにより、「今」を見つめ直す極めて現在的な関心に基づいた学問です。史料に依拠している必要はあるものの、自分なりの見方に基づき、自分だけの歴史を紡(つむ)ぐことができるクリエイティブな学問とも言えるでしょう。

このゼミでは現在的関心を持ちつつ、僕の専門であり日本とも密接に関わる中国の近現代史や、表象・メディア史について専門的に学びます。その過程で、自らと異なる社会や人々を理解し受け入れる姿勢、つまり国際性を身につけて欲しいと考えています。

履修希望科目

「中国語(初級)」、「中国史」、「中国アジア文化史」など中国語や中国史に関わる科目は必ず履修してください。「中国史」は近現代を中心とした中国の歴史を、「中国アジア文化史」は時代に関わらず中国文化を理解する上で重要なキーワードについて学びます。そして他の中国に関わる授業、例えば「中国20世紀文学」や「中国文学概論」、「中国民族文化論」、「東アジア文化論」などもできるだけ履修することをすすめます。歴史・文学・文化・民族などは全てが密接に結びついており、幅広く学ぶことで中国をより深く理解することが出来るからです。またさらに視野を広げるため、日本史、西洋史、アメリカ史の授業をとるのも良いでしょう。とくに近現代は世界が縮まり、欧米や日本とも深く関わっていきますので、中国以外に目を向けることも大切です。

自己紹介

専門は中国近現代史、なかでも中国のメディア史、プロパガンダ史、東北地域史を専門にしています。埼玉県に生まれ、小学生の時から歴史小説が好きで、将来は歴史に関わる仕事をしたいと思っていました。大学の文学部史学科で中国史を学び、紆余曲折を経て3年生の時に近現代史で卒論を書こうと決めました。その後大学院で北京に留学したのですが、実はこの留学が初めての海外でした。随分遅い海外体験だったと思いますが、中国の強烈な洗礼を受け、日本とはなにか根本的に異なる隣人・中国の混沌とした魅力に強く引かれました。みなさんにもぜひ、このように人生観が変わるような海外体験をしてもらいたいと考えています。

読書案内

望田幸男、芝井敬司、末川清著『新しい史学概論』(昭和堂、2002年)

 歴史学とはなにか、歴史を学ぶことの意味とはなにか、大学で歴史を学びたいと考えている人におすすめしたい本です。

久保亨など著『現代中国の歴史 両岸三地100年のあゆみ』(東京大学出版会、2019年)

 中国近現代史の概説書のなかで、表層的にならずに最もコンパクトにまとまっているものです。自分が関心のあるテーマを見つける上でも役に立ちます。

武田雅哉、加部勇一郎、田村容子編著『中国文化55のキーワード』(ミネルヴァ書房、2016年)

 中国文化に関わるディープな事柄について、各執筆者が深い知識に基づいて面白く解説しています。中国学の初学者にぜひおすすめしたい本です。

山室信一『キメラ──満洲国の肖像』(中央公論新社、2004年)

 日本史、東洋史に関わらず、満洲に興味を持ったらぜひ一読をおすすめします。新書としては分厚く読みづらいところもありますが、満洲と近代以降の日本の歩みについて知ることができます。

ジョン・ダワー『容赦なき戦争 : 太平洋戦争における人種差別』(平凡社、2001年)

 太平洋戦争を例に、戦争や異文化間の表象、プロパガンダについて学ぶことができます。

おすすめサイト

・西南学院図書館

https://opac.seinan-gu.ac.jp/library/

まずは何をおいてもここを活用しましょう

・Webcat Plus

https://ci.nii.ac.jp/books/

自分が関心のあるテーマの書籍を見つけられます

・京都大学貴重資料デジタルアーカイブ 

https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/

web上で貴重な資料を閲覧できます。とくに「絵葉書からみるアジア」がおすすめです

・20世紀メディア研究所 

https://www.waseda.jp/prj-m20th/

メディア、プロパガンダ、検閲、諜報などを研究するグループのHPです

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