教員紹介
宮崎 克則
ゼミのテーマ
「江戸」の政治と文化 -古文書から「江戸」を考える-
1600~1800年代に日本にやってきたヨーロッパ人、とくにケンペル・ツンベルク・シーボルトを主体に、彼らがヨーロッパで出版した日本に関する書物(日本語訳)をテキストとして、その中に書かれている江戸時代の風俗・社会・文化・産業・政治についての記述を日本に残る記録と比較しながら検討します。
ゼミの紹介
【写真の説明】
シーボルトが持ち帰った浮世絵や本を調査するため、ときどきオランダやドイツなどへ行きます。この写真は、2009年の夏、フランスの国立図書館にある葛飾北斎の絵を調査に行ったとき、街中で「ツタンカーメン」にばったり出会ったときのものです。
【ゼミ】
1600~1800年代に日本にやってきたヨーロッパ人、とくにケンペル・ツンベルク・シーボルトを主体に、彼らがヨーロッパで出版した日本に関する書物(日本語訳)をテキストとして、その中に書かれている江戸時代の風俗・社会・文化・産業・政治についての記述を日本に残る記録と比較しながら検討します。
以下の古文書はシーボルトへ出した絵の請求書。「茶つミの画」の値段は銀200目(=金3.5両)なので、今日の40-50万円ほど。このような史料を使います。
履修希望科目
1年次ではできるだけ日本史関係の講義・演習を受講すること。「東洋史学」「日本文学」「考古学」なども受講して下さい。なお将来博物館学芸員をめざす学生は博物館学芸員課程の科目を選択する必要があります。
これまでの卒論テーマ
(第3期 2017年3月卒業)越智菖「大名家と公家の婚姻」・ 岡本智花子「下関・稲荷町の盛衰」・柏瑛美香「脚気の歴史-始まりから病解明までの歩み-」・秋山菜誉美「記録からみる朝鮮漂流民-朝鮮漂流民が担った役割-」・北田有沙「唐津藩船手船松下家史料 『従薩州琉球人乗組通船ニ付呼子浦御手当之事』から読み取る江戸上り」・渕上元暉「伊能忠敬を支えた地元の人々」・平島ななみ「漂着唐船の護送について」・蓮香佑樹「奄美群島の葬墓制から見る日本」・吉田梨紗「日瑞交流-日本で活動したスイス人-」・三島祐華「為朝渡琉説から見る琉球観と系譜意識」・佐竹尚太「筑前竹槍一揆」・水上福子「炭鉱について-福岡・筑豊を中心に-」・西川みのり「日本人の河童観」・田中佳織「物産会から見た本草家・平賀源内とその功績」・中禮尚史「文人官吏大田南畝がみた、ロシア船来航事件」・飛松明子「肥前磁器の文様の変遷と輸出による海外磁器への影響」・吉田有沙「見直される『鎖国』-『鎖国令』の変遷と近年の研究・認識-」・堀口愛「シーボルトの江戸参府と川原慶賀」・渡邊麻由佳「博多港-港湾計画から見るアジアの拠点都市・福岡の形成-」・高橋亜美「暦と日本人」
(第2期 2015年3月卒業)足立志穂「西洋人が見た近世日本」・ 石橋奈緒「外国人居留地と文明開化」・梅津美優「江戸時代の化粧文化から見る日本人の美意識」・佐藤千優「福岡城の変遷からみる福岡市の発展」・林 怜子「『的中地本問屋』にみる江戸時代の出版-和本の内側と外側からの考察-」・藤木政仁「新聞記事に見る九州鉄道の始まりとその発展」・松延佳祐「筑豊の町に残る炭鉱の記憶」・武藤由貴「江戸庶民のマスメディア」・吉村直人「江戸の銭湯文化-人々の生活に欠かせない銭湯-」・吉岡香澄「林忠正と異文化交流-パリ在住の日本美術商を通してみる明治期の日欧間の文化の動き-
(第1期 2013年3月卒業)大西理子「浅川巧の人生を振り返って」・ 日高大貴「戦争と明治文学の関係」・牟田勝彦「新選組結成の背景、そして解散までの歴史と後世に与えた影響」・村口賢吾「日本沿海図作製史における『1863年製日本と朝鮮近傍の沿海図』と『文政4年伊能小図』の比較研究」・本園郁子「聖書翻訳の歴史とその影響」・磯野友生「英彦山修験道から見る現代人に通じる修験道の精神」・友池由香里「銭貨を中心とする江戸時代の貨幣経済」・鳥越久美子「『夷酋列像』演出された肖像画、主に人物表象における研究」・舛添龍也「幕末のロシア観は日露戦争を経験しどのように変化したか」・南しおり「中津蘭学者の地道な努力の功勲」・山崎 亮「宮崎駿の社会的メッセージ」・渡邊史佳「佐賀藩校・弘道館と『葉隠』の関係性」・泉菜津子「筑豊炭鉱における女鉱夫」・齋藤結乃「浮世絵とジャポニズム」・原亜理沙「福岡城」
自己紹介
1998年ころから非常勤として西南大には来ていました。週1回、箱崎から西新に来るのが楽しみでした。2010年からは逆に週1回ほど箱崎へ出かけることになりました。箱崎の九大では博物館に勤務し、江戸時代の「古文書」(コブンショでなく、コモンジョと読む)に埋もれた研究生活を送っていました。得意なのは「古地図のなかの福岡・博多」とシーボルト。200年前の古地図をもとに博多を歩くといろいろな発見があります。いつか機会をつくって歩きましょう。
出身地:唐津
専門:日本史・古文書
メール:kmiya[at]seinan-gu.ac.jp
読書案内
宮崎克則『大名権力と走り者の研究』(校倉書房、1995年)
17世紀、小倉藩をフィールドに逃げる百姓と追いかける大名の「攻防」を描く