教員紹介
ミヒャエラ マンケ
自己紹介
① 身近な文化は複数にあります。 それはまず、生まれたオーストリアと、育ったドイツですが、ギムナジウムに進学した時の第1言語はラテン語で、第2の言語は英語でしたが、2週間ばかりのイギリス留学は大変印象深いときとなりました。それから卒業するまでは古代ギリシャ語、フランス語、聖書のヘブライ語もそれぞれ数年間習ったあと、ドイツのフランクフルト大学に入学して日本文学や中国古典、ドイツ語文学等の勉強においても複数の文化を常に同時に学ぶ状況が続きました。来福して西南学院大学に採用されることも加え、日本の文化との出会いが直接に与えられました。また、私ドイツ人の元には、日本で生まれたが韓国の父を持ちドイツの国籍を有している元気一杯私の娘二人に恵まれているということは今、「文化衝突」を避け、諸文化の「平和的共生」を目指すチャンスに預かっているという意味に受け止めているところです。
② 旅が好きで、住んでいたドイツとオーストリア以外、今まで短期でも訪れた場所をあげると、イギリス、ギリシャ、フランス、ルクセンブルク、スイス、ポーランド、チェコ、イタリア、 ニューヨーク、北京、香港、韓国などですが、これからも色んな所に行きたいな!と思いながら、今治安以外旅に考慮しないといけないコロナのようなヴィルスの諸事情でなかなか難しいのが、趣味は現在ヴァーチャルな旅の試みにとって代わった様子です。
③ 西南学院に着任してから、当時宣教師、後に学長、そして今は名誉教授のK・J・シャフナー先生から受け継いだドイツ語バイブルクラス(Deutsch-Bibelkreis)を担当しています。また毎週日曜日、会員として日本バプテスト連盟の福岡城西キリスト教会の礼拝に出席しています。
④ 私は仕事になると慌てたり緊張したりすることが多いタイプですが、日常的には形だけにこだわらないで、落ち着いた雰囲気が好きな人だと思っています。
読書案内
私の思いとしては、自分の興味に引かれるまま図書館での発見による読書はもっとも充実すると思いますが、手がかりには次の本を紹介します。
■ 加藤 周一
「雑種文化」講談社文庫 1974年
1950年代の論文を集めたちょっと古い本ですが、サブタイトル「日本の小さな希望」という評価は妥当でしょうか。確かめてみてください。
■ テリー・イーグルトン
「文化とは何か」松柏社 2006年
<あいまいなまま使われる「文化culture」という用語を徹底検証>(本の帯)をしようとする一冊の試みは非常に興味深いと言えます。
■ 小塩 節
「ドイツ語とドイツ人気質」講談社学術文庫 825
「ことばは、異質な文化の世界への扉を開ける鍵である」ということを前提にした、通学中でも読めるような文庫本です。慣れていないドイツ語の勉強は、楽しい挑戦になるのではないでしょうか。
■ 加藤 雅彦等(編集者)
「事典・現代のドイツ」大修館書店 1998年
「事典」と言っても、読んだら面白いです。項目毎は解り易くテーマに絞って纏まっていますし、最後にたくさんの文献やホームページもあって、盛り沢山の情報が集まっています。
■ 上野 千鶴子など
「ドイツの見えない壁 -女が問い直す統一」岩波新書 314
1989年「ベルリンの壁」が崩壊した後も、東と西、女と男、ドイツ人と外国人との間には、「見えない壁」が存続しています。「経験を当事者の言葉で語ってもらう」という原則に基づいて、ドイツ社会の諸問題を「多角的に」教えてくれる本です。
■ ヴィクトール.E.フランクル
「夜と霧(新版)」池田香代子訳、みすず書房 2002年
第2次世界大戦中、ナチスの強制収容所に耐えて生き延びた、その体験を述べ、分析する心理学者の講演を集めた本です。ドイツの歴史についてだけでなく、人生についても考えさせます。
■ 若林ひとみ
「クリスマスの文化史」白水社 2004年
ドイツの人々に欠かせないモノと言えば、キリスト降誕を祝うクリスマスです。そのお祝いの風習の多くは世界の国々に亘ったのですが、それらの詳細を語る一冊でドイツ文化の重要な一面に迫ります。
おすすめサイト
日々大きくなるオンラインの和独辞典プロジェクト
日々単語が増えて来て、他のオンライン辞書へのリンクによってたいへん充実している1600年以上のドイツ語を調べることができるオンラインの独独辞典プロジェクト
ドイツ語を学ぶ人にとって、DOKKENとはロックバンドではなく、むしろ日本の独特の半年ごとに行われるドイツ語検定試験Diplom Deutsch in Japanというプロジェクト
https://www.goethe.de/ins/jp/ja/index.html
ゲーテ・インスティトゥートというドイツ連邦共和国を代表する文化機関による、海外におけるドイツ語教育の推進と、国際的な協力に支えられた文化活動のサイト
世界中を視野に入れてのドイツ語学習も、他の学習者とメールもできるためのサイト