2025/12/19 学部主催 黒井秋夫講演会「戦争が残す心の傷 ̶戦争P T S D──日本兵とその家族の戦後80年──」

⼼に深い傷を負って⽇中戦争から復員した⽗と暮らした経験をもつ東京都の⿊井秋夫⽒は、同様の体験をもつ家族と連絡をとって体験を証⾔する集いを 2018 年から主催されてきました。その体験と活動は、これまで国内であまり認識されていなかった⻑期におよぶ戦争の後遺症の問題を明らかにし、各種報道でもここ最近数多く取りあげられてい
ます。⿊井⽒の現在までのご活動は⾸都圏を中⼼とする東⽇本が多く、福岡・九州地域ではこれまで機会がありませんでした。しかし、福岡・九州地域でも、⽇中戦争などからの帰還兵と暮らした家族が多く存在します。

今講演会は、福岡・九州での戦争が残す深刻な⼼の傷の問題をより多く照らし出すきっかけとなることが予想されます。本学参加学⽣にとっては、戦後 80 年が経過し、戦争体験者から直接話を伺うことが困難となる中で、⾝近な家族に残されている戦争の記憶や傷跡を再認識する平和学習の機会となることを期待しております。

黒井秋夫氏の著作（一部）

• 黒井秋夫・蟻塚亮二『戦争トラウマを生きる: 語られなかった日本とアジアの戦争被害、傷ついたものがつくる平和』泉町書房　2025
• ＰＴＳＤの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会編『PTSDの日本兵の家族の思いと願い』　あけび書房　2023